乳歯が抜けないのに永久歯が生えてきた!原因や受診の目安を解説
- 2026/07/01
- 小児歯科

「乳歯が抜けないのに永久歯が生えてきたけど大丈夫?」「歯医者さんにはどのタイミングで連れて行くべき?」お子様の歯の生え変わり時期、このような不安を感じていませんか?
乳歯は永久歯が下から押し上げてくることで、自然と抜け落ちます。しかし、永久歯の生える位置が少しずれていたり、あごのスペースが足りなかったりすると、乳歯がうまく抜けずに残ってしまうことがあります。
乳歯が残ったまま永久歯が生えてくると心配になりますよね。
そこで本記事では、乳歯が抜けない原因や、永久歯が重なって生えてくる理由、歯科医院を受診すべき目安について解説します。
乳歯が抜けない主な原因

乳歯が抜けない原因を知るには、まず歯の生え変わる仕組みを理解することが大切です。
6歳から12歳頃にかけて、あごの骨の中では永久歯が成長していきます。永久歯が上へ伸びる刺激によって乳歯の根を溶かす細胞が働き、乳歯の根っこが少しずつ溶かされていきます。これを「歯根吸収(しこんきゅうしゅう)」と呼びます。根が十分に溶かされると、乳歯は支えを失って自然に抜け落ちるのです。
つまり、乳歯がうまく抜けないケースの多くは、この「歯根吸収」がスムーズに進んでいないことが関係しています。その原因を順番に見ていきましょう。
永久歯の生える位置がずれている
永久歯は本来、乳歯の真下から押し上げるように生えてきます。ところが、何らかの理由で永久歯が斜めや横にずれた位置から生えようとすると、乳歯の根っこに十分な力が伝わりません。その結果、歯根吸収が不完全になり、乳歯が残ったまま永久歯が別の場所から顔を出してしまうことがあります。
乳歯の根っこが残っている
過去に乳歯の虫歯治療を受けたことがあったり、転んで歯をぶつけたりした経験があると、歯根吸収がうまく進まなくなることがあります。虫歯の炎症や外傷によって根っこの周囲の組織が変化し、永久歯からの圧力を受けても根が溶けにくくなってしまうのです。
生え変わりの時期が遅れている
乳歯から永久歯への生え変わりは、一般的に6歳ごろから始まり、12歳ごろまでにすべての乳歯が抜けるとされています。ただし、生え変わりのタイミングには個人差がかなりあります。前後1~2年程度のずれは珍しくなく、心配する必要はありません。
乳歯が抜けないのに永久歯が生えてくるケース
乳歯が残ったまま永久歯が生えてくる状態は、小児歯科で日常的に見られる光景です。特に下の前歯で起こりやすく、永久歯が乳歯の内側(舌側)から生えてくるパターンが最も多く見られます。
この時期のお子様のあごはまだ発育途中で、永久歯がきれいに並ぶためのスペースが十分に確保されていないことも珍しくありません。そのため、永久歯は「自分が生えるスペース」を探しながら、乳歯を避けるようにして内側から顔を出すことがあるのです。
保護者にとっては「前後に歯が2本並んでいる」状態に見えて驚かれることが多いですが、実はこのような状況でも、乳歯がグラグラしていれば自然に抜けることがほとんどです。
乳歯が抜けた後、舌の力で永久歯が前に押し出され、正しい位置に収まっていくケースも多く見られます。ただし、すべてが自然に解決するわけではないため、「様子を見ていい場合」と「歯科医院に相談した方がいい場合」の見極めが大切になります。
歯科医院を受診したほうがいい?
ここでは、歯科医院への受診を検討したほうがよい4つのポイントをまとめました。一つでも当てはまるものがあれば、早めの相談を検討してみてください。
①永久歯が見えてから2週間以上たっても乳歯が抜けない

永久歯が歯ぐきから顔を出し始めてから2週間程度は、様子を見ても問題ないケースがほとんどです。この間に乳歯のグラグラが進み、自然に抜けることも多いからです。
ただし、2週間たっても乳歯がまったく揺れない、あるいはほとんどグラつきがないという場合は、歯根吸収が進んでいない可能性があります。永久歯の生える方向のずれや、歯根の異常が隠れていることもありますので、一度歯科医師に診てもらいましょう。
②食事に支障が出ている
お子様が「噛むと痛い」と訴えたり、好きだったおせんべいやりんごなどの固いものを避けるようになったりした場合は、早めの受診をおすすめします。
痛みや違和感のせいで食べる量が減ったり、片側だけで噛む癖がついたりすると、栄養面だけでなく顔やあごの発育にも影響が出かねません。ごはんを食べるのに時間がかかったり、やわらかいものばかり選んでいたりすると感じたら、歯の状態を確認してあげてください。
③永久歯が明らかに変な方向に生えている
永久歯が極端に斜めだったり、完全に横を向いていたりする場合は、早めに歯科医院を受診してください。放置すると、隣の歯を押して歯並び全体に影響が及んだり、かみ合わせのバランスが崩れたりする可能性があります。
④保護者の方が不安を感じている
「なんとなく気になる」「他の子と比べて遅い気がする」といった不安も、立派な受診理由です。こんなことで歯医者に行ってもいいのかなと遠慮される方もいらっしゃいますが、小児歯科では日常的にお子様の生え変わりに関する相談を受けています。気になることがあれば、気軽に相談してみてください。
まとめ
乳歯が抜けない原因の多くは、下から生えてくる永久歯が乳歯の根をうまく溶かせない「歯根吸収の遅れ」によるものです。生える位置のズレや、あごの成長不足によってスペースが足りない場合、乳歯が残ったまま永久歯が横から顔を出してしまうことがあります。
永久歯が見え始めてから2週間程度は自然に抜けるのを待っても問題ないことが多いですが、いつまでもグラグラしない場合や、痛みを伴って食事に支障が出ている場合、明らかに斜めに生えている場合は注意が必要です。
「そのうち抜けるだろう」と自己判断で放置してしまうと、今後の歯並びやあごの正常な発育に悪影響を与える可能性もあります。
お子様の歯の生え変わりペースは個人差が大きいからこそ、少しでも「他の子より遅いかも」「なんだか様子がおかしい」と感じたら、ためらわずに小児歯科へ相談してみましょう。
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