矯正中と矯正後にできる歯の隙間の原因は?対処法も解説
- 2024/10/01
- 矯正
矯正中に隙間ができる原因とは
まずは矯正治療中に隙間が生じる原因についてです。基本的には以下の4つの原因が考えられます。
原因1:歯が動いているため
矯正中の歯の隙間の原因として、第一に挙げられるのは、歯の移動です。歯並びを細かく整える歯列矯正では、1本1本の歯を正常な位置に動かす際、一時的に隙間が生じる場合があります。そうした歯の隙間は、矯正が進むにつれて塞がっていくため、過剰に心配する必要はありません。とくに小臼歯などを便宜抜歯(べんぎばっし)した場合は、歯と歯の隙間が生じている時間も長くなりますので、その点には注意が必要です。
原因2:歯ぐきが下がったため
矯正治療は、歯ぐきが下がる「歯肉退縮(しにくたいしゅく)」というリスクを伴います。歯ぐきが下がれば、歯と歯の隙間が目立ちやすくなります。
原因3:悪い歯並びが改善されたから
悪い歯並びが改善されることで、歯と歯の隙間が目立ちやすくなる場合もあります。歯並び・かみ合わせは正常化されているため、治療自体は順調に進んでいるのですが、歯や歯ぐきの形状によっては、結果として部分的な隙間が目立ってしまう場合もあります。
矯正中に隙間ができた場合の対処法
矯正治療中に生じる歯の隙間への対処は、矯正を最後までやり遂げる以外にはありません。矯正治療が完了することで、治療途中に生じる歯の隙間の多くは閉鎖されます。ただし、歯肉退縮やもともとの歯の形・歯並びが原因で隙間が生じているケースは、矯正治療を終えても隙間が埋まらない場合もあります。そうしたケースでは、下がった歯ぐきを改善する治療や、セラミックで歯の形を整える治療が別途、必要となります。
矯正後に隙間ができる原因とは
続いては、矯正治療後に歯の隙間が生じる原因についてです。一般的には以下の3つが考えられます。
原因1:保定期間が短かった
マルチブラケット装置やマウスピース型装置で歯を動かした後は、保定(ほてい)と呼ばれる処置を行わなければなりません。具体的にはリテーナー(保定装置)を装着して、歯の位置を固定するのですが、その期間が短すぎると、矯正で作り上げた歯並び・かみ合わせが安定せず、不要な隙間が生じてしまいます。
原因2:歯の後戻りが生じた
保定処置を適切に行ったとしても、口呼吸や歯ぎしり、頬杖をつく癖など、歯並び・かみ合わせを悪くする習慣があると、歯の後戻りが生じます。その結果として、歯と歯の間に隙間が生じてしまうのです。
原因3:抜歯で作ったスペースを埋めることができなかった
便宜抜歯によって生じたスペースは、歯の移動に伴って狭くなっていきます。けれども、治療計画に問題があったり、矯正中にトラブルが生じたりすると、そのスペースを埋めることができず隙間が残ったまま治療を終えることになります。
矯正後に隙間ができた場合の対処法
矯正治療後に隙間が生じた場合の対処法は、以下の2つです。
対処法1:正しい方法で保定をやり遂げる
リテーナーの装着期間が短いことで歯の隙間が生じている場合は、保定を最後までやり遂げることが優先されます。歯科医師の指示通りにリテーナーを装着し、歯並び・かみ合わせを固定するよう努めてください。
対処法2:再治療を受ける
治療計画の不備や保定を怠ったことで歯の隙間が生じている場合は、再治療を受ける必要があります。もうすでに歯が大きく戻ってしまっているため、リテーナーを装着するだけで対処するのは難しいです。再治療を受ける際は、適切な治療計画を立てられる信頼性の高い歯科医院を探すようにしましょう。同じ矯正歯科に任せると、同様のトラブルや失敗を繰り返す可能性が高まります。また、口呼吸や歯ぎしりなどの悪習癖が原因で後戻りし、歯と歯の間に隙間が生じている場合は、それらを改善してから再治療を受けることが望ましいです。
まとめ
今回は、矯正中と矯正後に歯の隙間が生じる原因と対処法を解説しました。矯正中はまだ歯が動いている最中なので、歯列内に隙間が現れることがよくあります。そのため矯正が終わるとともに、その隙間も解消されるケースがほとんどです。矯正後に隙間が生じた場合は、基本的に何らかのトラブルが考えられます。リテーナーの装着を怠ることで、歯の後戻りが起こり、不自然な隙間が生じることがあるので、保定は必ず最後までやり遂げるようにしましょう。いずれにせよ矯正治療で歯の隙間が生じた場合は、その都度、主治医に相談すると良いです。矯正歯科の知識や技術が確かであれば、対処法を提案してくれます。