ドライソケットの原因は?
放置するリスクと抜歯後の注意点も解説
- 2024/09/01
- 一般
ドライソケットになってしまう原因とは
抜歯をした後の穴が血の塊によって埋まらず、骨が露出して激痛が生じる症状をドライソケットといいます。ドライソケットになる根本的な理由は、血の塊である血餅(けっぺい)が正常に作られないことですが、次のような4つの原因がそのリスクを増大させます。
原因1:抜歯後に繰り返しうがいをする
抜歯をした後は、口腔内にさまざまな不快症状が生じるため、繰り返しうがいをしてしまうことがあります。その際、抜歯をした穴に生じた血餅が流れてしまうと、ドライソケットのリスクが高まります。血餅はいわばかさぶたのような役割を果たしているため、それが剥がれると傷口がむき出しの状態となるのです。
原因2:患部に触れる
抜歯をした部分は、ぽっかりと穴が開いた状態となっているため、どうしても気になってしまいますよね。無意識に穴を舌で触ってしまうかもしれませんが、血餅が剥がれてしまいますので控えるようにしてください。歯磨きの際に歯ブラシで刺激するのもNGです。
原因3:全身の血行が良くなることをする
激しい運動や長風呂、飲酒などは全身の血行が良くなるため、抜歯後は控えるようにしましょう。血行が良くなると傷口が開いて再び、出血します。その状態が不快でうがいをすると、せっかくできた血餅も流れてしまい、抜歯の穴の骨がむき出しとなるリスクが高まります。
原因4:タバコを吸う
喫煙には、血行を悪くする効果があります。患部の血行が悪くなると、血液の供給も滞ってしまい、血餅が作られなくなります。その結果としてドライソケットの症状が現れる場合もあるのです。
ドライソケットを放置しない方がいい理由
ドライソケットは比較的深刻な病気なので、放置しない方が良いです。その理由は次の通りです。
理由1:患部に細菌感染が起こる
血餅が剥がれた患部は、顎の骨が露出しています。それは外からの刺激を受けやすくなっている状態でもあるため、一刻も早く対処した方が良いといえます。そのままの状態で放置していると、顎の骨に細菌感染が起こって炎症反応が生じます。同時に、激しい痛みを伴うようになることでしょう。
理由2:歯ぐきの形が悪くなる
ドライソケットを放置し続けると、細菌感染が起こって歯ぐきや顎の骨の状態が悪くなります。最終的に自然治癒した場合でも、元通りには治りません。それはその他の部位に生じた傷も同様です。歯ぐきや顎の骨の形が悪くなると、口元の審美性が低下するだけでなく、失った歯の治療をする際にも支障をきたします。とりわけ顎の骨に人工歯根を埋め込むインプラントでは、治療そのものが難しくなることもあるため注意が必要です。
治療後に気を付けたほうがいいこと
このように、ドライソケットは極めて深刻な症状を引き起こしかねない病気なので、予防するに越したことはありません。次に挙げる5つの点に注意すれば、ドライソケットになるリスクを大幅に下げられることでしょう。
注意点1:止血をしっかりと行う
抜歯をした後は、ガーゼを噛んで止血します。ガーゼを噛んでいる時間が短すぎると、血が止まらないこともあるため注意が必要です。抜歯後のガーゼは少なくも15~20分程度は噛むようにしましょう。
注意点2:うがいは最小限にとどめる
抜歯後のうがいは、必要最低限にとどめるようにしましょう。血の味がして気持ちが悪いかもしれませんが、血餅が出来て抜歯の穴の治癒が進むまでは、ぶくぶくうがいはもちろん、口の中をゆすぐこともできるだけ控えてください。
注意点3:患部に刺激を与えない
抜歯をした部分は、傷口そのものです。舌や指でいじることはもちろん、極端に熱かったり、辛かったりする食品も避けるようにしましょう。歯磨きもやわらかめの歯ブラシを使って、患部以外の部分をしっかり磨くよう心がけてください。
注意点4:全身の血行が良くなることは避ける
歯を抜いた当日は、ランニングなどの激しい運動、お酒を飲む、熱い湯船に浸かることは避けてください。これらは全身の血行を良くする行為なので、血が止まりにくくなります。抜歯した翌日からは、入浴のみ許可されるケースが多いですが、お湯を適度な温度に調節することが大切です。激しい運動や飲酒は、抜歯から1週間程度は控えた方が良いといえます。
注意点5:喫煙をしない
タバコは、傷の治りを遅らせるため、抜歯後はしばらく禁煙するようにしましょう。
まとめ
今回は、抜歯後に起こるドライソケットの原因や放置するリスク、回避するための注意点などを解説しました。ドライソケットは、抜歯後の過剰なうがいや患部への刺激、全身の血行が良くなる行為などによって引き起こされるため、それらを控えることで予防しやすくなります。ドライソケットを放置していると患部に感染が起こって、歯ぐきや顎の骨に深刻なダメージが及ぶことから、症状が気になったら早期に歯科を受診するようにしましょう。