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口の中で金属の味がするのはなぜ?お口のトラブルや疑われる病気・対処法を解説

口の中で金属のような味がする場合、歯科治療で入れた金属の劣化や、歯周病による歯ぐきからの出血など、お口の中に原因があるケースが一般的です。
しかし、場合によっては亜鉛不足による味覚障害や、腎臓病といった全身の疾患が隠れている可能性もゼロではありません。
放置するとお口の環境が悪化するだけでなく、思わぬ病気の発見が遅れてしまうこともあります。
そこで本記事では、口の中で金属の味がする原因について、お口のトラブルから全身の病気の可能性、対処法まで解説します。

「口の中で金属の味がする」よくある原因とは

口の中で金属の味がするとき、まず疑いたいのは歯科治療で使った金属や、歯ぐきのトラブルです。ここでは、考えられる主な原因を4つ見ていきましょう。

①金属製の詰め物・被せ物からの金属の溶け出し

保険診療で使われる銀歯(金銀パラジウム合金など)は、長期間お口の中に入っていると、唾液の影響で少しずつ金属成分が溶け出すことがあります。これが舌や粘膜に触れることで金属の味として感じられるのです。
なお、自費診療で使用されるセラミックやジルコニアといった素材には金属が含まれていないため、こうした金属味の問題はほとんど起こりません。

②異なる金属同士で発生するガルバニー電流

お口の中に種類の異なる金属が入っている場合、それらの間で微量の電流が発生することがあります。これを「ガルバニー電流」といいます。イメージとしては、アルミホイルを噛んだときに「ピリッ」とする感覚に近いものです。
ガルバニー電流自体は弱いものですが、電流が金属に作用すると、詰め物や被せ物の金属成分がイオン化して溶け出しやすくなります。その結果、金属特有の味を感じることがあります。

③歯周病による歯ぐきからの出血

歯ぐきからの出血が原因というケースも珍しくありません。歯周病は、歯と歯ぐきの間にたまったプラーク(歯垢)の中の細菌が原因で、歯ぐきや歯を支える骨(歯槽骨)に炎症が起きる病気です。初期の段階では歯ぐきが赤く腫れ、ちょっとした刺激で出血しやすくなります。
血液には鉄分が含まれているため、歯ぐきから出た血液が舌に触れると、鉄のような金属味として感じられます。朝起きたときや歯磨きのとき、あるいは硬いものを噛んだときに金属の味がするという方は、歯周病による出血が原因かもしれません。

④口腔異常感症(こうくういじょうかんしょう)

お口の中を検査しても特に異常が見つからないにもかかわらず、ヒリヒリ感やネバネバ感、金属の味など、不快な症状を感じ続ける状態を「口腔異常感症」と呼びます。
口腔異常感症の症状は人によって千差万別で、「何となく変な味がする」「舌がザラザラする気がする」など訴え方もさまざまです。ストレスや自律神経の乱れが関係しているとされ、疲労や睡眠不足が重なったときに症状が強くなる傾向があります。

口の中以外が原因の可能性

口の中の金属の味は、全身の病気が原因で起こることもあります。ここからは、特に注意しておきたい全身疾患について解説します。

腎臓病(じんぞうびょう)

腎臓は、血液をろ過して老廃物や余分な水分を尿として体の外に出す臓器です。腎臓の働きが低下すると、本来排出されるべき老廃物が血液中にたまっていき、さまざまな症状を引き起こします。
腎臓病が進行して腎不全の状態になると、体内に老廃物が蓄積する「尿毒症(にょうどくしょう)」と呼ばれる状態に至ることがあります。尿毒症では、だるさ、吐き気、頭痛などの全身症状に加え、口臭(尿臭)、歯ぐきからの出血、味覚の異常を引き起こすことがあります。

亜鉛欠乏による味覚障害

私たちが味を感じるのは、舌の表面や上あご、のどの奥などに存在する「味蕾(みらい)」というセンサーのおかげです。味蕾の中にある味覚細胞は約10日という短いサイクルで新しく生まれ変わっており、この生まれ変わりに欠かせないのが亜鉛というミネラルです。
亜鉛が不足すると、味覚細胞の新陳代謝がうまくいかなくなり、味を正確に感じ取れなくなります。「何を食べても味がしない」「本来の味と違う味がする」といった味覚障害が起き、金属のような味を感じることがあります。

シェーグレン症候群

シェーグレン症候群は、涙や唾液を分泌する腺(涙腺・唾液腺)に慢性的な炎症が起きて、目や口が乾く病気です。日本での患者数は約7万人とされ、40〜60歳代の女性に多く見られます。
唾液腺が炎症によってダメージを受けると唾液の分泌量が減り、口が乾く、口の中がネバネバするといったドライマウスの症状が現れます。口腔内の痛みや味覚の異常が生じることもあり、金属味を感じる原因の一つになりえるのです。

口の中で金属の味がする場合の対処法

金属が溶け出して劣化した詰め物や被せ物は、そのまま使い続けると金属味が続くだけでなく、適合が悪くなって虫歯が再発するリスクもあります。歯科医院で状態を確認してもらい、必要に応じてCAD/CAM冠(保険診療)、セラミックやジルコニア(自費診療)といった新しいものに作り替えましょう。
ガルバニー電流を解消するには、お口の中の金属素材を同じ種類に統一するか、金属そのものを使わない素材に切り替えるのが有効です。
歯ぐきからの出血が原因で金属味を感じている場合は、歯周病の治療に取り組むことをおすすめします。歯科で特に問題が見つからない場合は、内科での血液検査や尿検査も検討しましょう。

まとめ

口の中で金属の味がする原因は、以下のお口のトラブルが代表例です。

  • 銀歯などの詰め物からの金属成分の溶け出し
  • 異なる金属同士で起きるガルバニー電流
  • 歯周病による歯ぐきからの出血

一方で、亜鉛不足による味覚障害や腎臓病による尿毒症、シェーグレン症候群といった全身の疾患が影響して金属味を感じているケースもあるため、注意が必要です。
銀歯などの歯科金属や歯周病が原因であれば、セラミックなど金属を使わない素材(メタルフリー)への交換や、歯周病治療を行うことで症状の改善が期待できます。
気になる場合は、歯科医院を受診してお口の状態をしっかりとチェックしてもらいましょう。