歯が生まれつき黄色い…どうしたら?原因と改善方法を解説
- 2025/04/02
- 審美歯科

歯の色は個人差が大きく、生まれつき黄色味がかった色をしている方も少なくありません。歯の色は見た目の印象を大きく左右する要素の1つであり、コミュニケーションにも影響を与える可能性があります。今回は、生まれつき歯が黄色い原因や、その改善方法について詳しく解説していきます。
生まれつき歯が黄色い原因とは?
歯の色が生まれつき黄色くなる原因はいくつか存在します。以下に、その代表的なものをご紹介しましょう。
遺伝的な影響

歯の色は髪や肌の色と同様に、遺伝の影響を大きく受けます。例えば、両親や祖父母の歯が黄色味がかっている場合、その影響を受ける可能性が高いかもしれません。遺伝的な要因による歯の色の違いは、人種や民族によって異なることも知られており、進化の過程で獲得した特徴の1つとされています。
エナメル質の厚みによる影響
歯は表層に「エナメル質」、その内側に「象牙質」と二層構造になっています。象牙質はもともと黄色味がかった色をしているため、その外側を覆うエナメル質が薄い場合、象牙質の色が透けて見えることがあります。一般に、日本人を含むアジア人は、欧米人に比べてエナメル質が薄い傾向にあるため、歯が黄色く見えやすいのが特徴です。また、エナメル質の厚みは個人差が大きく、同じ人種でも歯の色が異なる要因になっています。さらに、エナメル質は加齢とともに徐々に薄くなっていくため、年齢とともに黄色味が増す傾向があります。
エナメル質形成不全による影響
エナメル質形成不全は、歯の表層にあるエナメル質が正常に形成されない先天性の疾患です。歯の表面がザラザラしていたり、凸凹があったりするのが特徴で、表面が黄色や茶褐色に変色するケースもみられます。
薬剤による影響(テトラサイクリン歯)
母胎期や幼少期にテトラサイクリン系の抗生物質を服用した場合、その副作用で歯が黄色や褐色に変色することがあります。これは「テトラサイクリン歯」と呼ばれ、黄色や灰色、茶色など様々な色調による変色が起こるのが特徴です。現在はこの副作用が広く認知され、妊婦や小児へのテトラサイクリン系抗生物質の使用は慎重に行われています。
生まれつき黄色い歯でもホワイトニング効果はある?
生まれつき黄色い歯については、ホワイトニングで白くできるケースと効果が限られるケースがあります。その効果の違いについて、以下に詳しくご紹介しましょう。
ホワイトニングで歯が白くできるケース

遺伝的な要因やエナメル質の薄さによる黄ばみの場合、ホワイトニング治療で十分な効果が期待できます。とくに、歯科医院が提供するホワイトニングは、高い効果が得られるでしょう。ただし、ホワイトニングの効果には個人差があり、治療前の歯の状態によって、効果のあらわれ方や持続期間が異なります。また、持続期間については、治療後のケアや生活習慣によっても変わってきます。
ホワイトニングの効果が限られるケース
エナメル質形成不全や薬剤(テトラサイクリン歯)による変色は、通常のホワイトニング治療では十分な効果が得られない可能性があります。このようなケースについては、次項でご紹介する他の治療法を組み合わせて改善を図るのが一般的です。治療前に歯科医師による詳細な診査と診断を受けることで、より効果的な治療計画を立てることができます。
生まれつき黄色い歯を改善する方法
歯の色を改善する方法には、以下のような選択肢があります。それぞれの治療の特徴をよく理解し、自分にあった方法を選択することが大切です。
ホワイトニング治療
歯の色を改善する方法で、最も一般的に行われるのがホワイトニング治療です。歯科医院では、院内で歯科医師または歯科衛生士が施術する「オフィスホワイトニング」と、患者様がご自宅で行う「ホームホワイトニング」の2つの方法を提供しています。歯科医院のホワイトニングは歯の構造を傷つけることなく、安全に歯を白くできるのが特徴です。
ラミネートベニア
ラミネートベニアは、前歯の表面を薄く削り、セラミックの薄い板を貼り付ける治療法です。歯の色と同時に形も改善することができます。歯を最小限に削るだけで済むため、できるだけ歯に優しく、自分の歯を残したい方には適した治療法です。ただし、適応が限られるため、歯科医師の適切な診断のもと治療を進める必要があります。
セラミック治療(セラミックの被せ物)
歯全体をセラミックの被せ物で覆う治療法です。セラミックは天然歯に近い色調を再現できるほか、耐久性にも優れるため、変色や劣化の心配がありません。ホワイトニングやラミネートベニアで色の改善が見込めないケースは、セラミック治療が選択肢となります。ただし、健康な歯を削る必要があるため、治療の必要性については慎重に検討する必要があります。
まとめ
歯の色は遺伝的な要因やエナメル質の厚み・構造など、様々な要因が関係しています。歯の黄ばみを改善したい場合はホワイトニング治療が第一選択肢になりますが、変色の原因によっては十分な効果が得られない可能性もあるため注意が必要です。まずは、歯科医院で詳しい診査・診断を行い、歯科医師と相談のもと、自身にあった方法を選択していきましょう。