インスタグラム

BLOG

ブログ一覧

歯が痛いのは気圧の変化が原因?その仕組みと予防法を解説

気圧の変化は、体調に悪影響を及ぼすという話をよく耳にします。実際、気圧が低くなった時は、頭痛に悩まされる方も多いことでしょう。それと同じ理由で、低気圧が歯痛を増悪させることがあるのをご存知でしょうか?今回はそんな気圧の変化と歯痛との関係について、仕組みから予防法までを詳しく解説します。

気圧性歯痛、航空性歯痛とは

冒頭でも述べたように、気圧の変化は歯の痛みを引き起こすことがあり、それを専門的には「気圧性歯痛(きあつせいしつう)」や「航空性歯痛(こうくうせいしつう)」と呼びます。

気圧が低いとどうなるの?

気圧は、空気の重さによって生じる圧力なので、軽くなるほど体への圧迫が減少します。それだけを聞くと良い変化のように聞こえますが、気圧が低くなると、血管が外に広がる力の方が強くなって膨張を始めるため、周囲の神経を圧迫してしまうのです。そうして生じるのが気圧の変化に伴う頭痛であり、今回のテーマでもある気圧性歯痛や航空性歯痛です。
気圧性歯痛は、文字通り気圧が変化した時に生じる歯の痛みで、航空性歯痛は、飛行機に乗った時に現れる歯の痛みです。どちらも気圧が低くなることで痛みが生じます。

気圧の変化でなぜ歯が痛くなるのか

気圧性歯痛も航空性歯痛も発生する原理は同じです。基本的には気圧が低くなることで、歯の内部にある血管が膨張して、神経を刺激します。また、歯の神経と血管が収まっている歯髄腔には一定量の空気が存在しており、低気圧によってそれが膨張することでも歯痛を誘発しやすくなります。
この時、歯が正常であれば痛みは生じません。実際、多くの方は気圧が低い日でも、飛行機に乗った時でも歯の痛みを感じることはないでしょう。もしそうしたシチュエーションで歯痛を感じるのであれば、虫歯などによって歯髄に炎症などが生じている可能性が高いです。具体的には、以下のようなケースが疑われます。

  • 虫歯がある
  • 虫歯治療中である
  • 詰め物や被せ物をした歯に異常がある
  • 歯の根の先や歯ぐきに膿がたまっている

痛みを予防する方法はあるの?

気圧の変化に伴う歯の痛みは、次に挙げる方法を実践することで、予防したり、緩和したりできます。

方法1:鎮痛剤を服用する

歯の痛みは、鎮痛剤によって軽減できます。痛みの原因を取り除けるわけではありませんが、少なくとも飛行機に乗っている間や低気圧で歯痛が強くなっている間は、症状を一時的に取り除けます。鎮痛剤は普段から使い慣れているもので構いませんので、航空性歯痛などに悩まされる恐れがある方は、あらかじめ準備しておくことをおすすめします。

方法2:過剰に心配をしない

実は、歯痛は精神的に不安定になることで助長される場合があります。「前回、飛行機に乗った時に歯が痛くなったから、また今回も嫌な思いをするかもしれない」と考えていると、ストレスなどの影響で痛みが出やすくなることがあるのです。それは梅雨の時期に気圧が低くなった日も同じで、心理的不安を自ら強めるようなことはせず、できるだけポジティブに過ごすことが大切です。飛行機の中では、音楽を聴いたり、同行している人と会話をしたりすることがリラックスにつながります。

方法3:歯科の定期検診を受ける

上でも述べたように、気圧性歯痛や航空性歯痛は、健全な歯で起こるリスクは極めて低いといえます。ですから、日頃から歯科の定期検診を受けて、歯の状態を正常に保つよう努めることが最も有効な予防法となります。3~4か月に1回くらいの頻度で定期検診を受けていれば、虫歯や歯周病はもちろん、詰め物・被せ物の異常にも早期に気づくことができます。そうしたお口のトラブルは、早期に対処することで治療期間も短く済みます。飛行機に乗る機会が多い方はとくに歯科検診の定期的受診をおすすめします。

方法4:歯科治療を最後まで終わらせる

歯科では、治療を途中でやめてしまうケースが少なからずあります。例えば、虫歯治療で仮の歯を装着した状態で放置したり、根管治療で仮の蓋を詰めた状態で通院をやめたりするケースが見られます。虫歯による痛みがなくなって安心した気持ちもあると思いますが、その状態は極めて脆弱であることから、最後まできちんと治療をやり遂げることをおすすめします。そうした治療途中の歯があって、気圧性歯痛や航空性歯痛に悩まされている場合は、治療を完結させることで症状を取り除けます。

まとめ

今回は、気圧の変化に伴う歯の痛みについて解説しました。気圧性歯痛や航空性歯痛は、気圧の低下によって歯の内部の血管が膨張し、歯の神経を圧迫することが原因となる症状です。虫歯などによって歯に異常が生じている方に起こりやすい症状なので、日頃から歯の健康に気を遣っていれば予防するのも難しくありません。ただ、歯が健康であっても痛みを感じやすい方は気圧性歯痛に悩まされることがあるかもしれませんので、そんな時は鎮痛剤を服用したり、心理的不安を取り除く工夫をしたりすると良いでしょう。